老人よ、大志をいだけ
パンデミックの間の3年間日本訪問ができないでいました。コロナが下火になった昨年の春からそして秋、また今年になって桜の時期が終わったころ、訪日できました。
自分自身の年を考えたら、後何回訪日できるかわからないので、できるときになるべく訪ねようと老いの身に鞭打って(?)来日しました。
(幸い今回は飛行機の中で寝ないで、映画4本を立てづ付けに見たせいで、あまり時差ぼけもありませんでした。)
コロナの3年間に会えなかった知人、友人に、昨年の春と秋、また今回は去年の2回の訪日で会えなかった方々に会うことにしました。天国が近くなっていますから。
いつもはJRパスを買って国内旅行をするのですが、今回は実家にいようと決意しました。ところが急に札幌にいくことになったのです。北カリフォルニアの教会で一緒だった大好きな若い友人に赤ちゃんが生まれ、その赤ちゃんをみたいという、夫のかねてからの願いでした。
飛行機で札幌へ。そのご家族と楽しい再会のときをすごし、翌日札幌市内観光バスに乗りました。そして羊ヶ丘では有名なクラーク博士の像を見、またその翌日には北大にある本当
の(?)クラーク像を案内していただきました。
雨という天気予報だったのが、さわやかな皐月晴れ。新緑をバックに雪が地面に残っているのに、ライラックやつつじの北大のキャンパスは、それこそ天国でした。
クラーク博士の生涯はたった59年だったそうです。「青年よ、大志を抱け」と日本の若者を啓もうしたわけです。
そのクラーク博士が、地上の生活があとわずかと思っていた老年の私に、「老人よ、大志を抱け」と語られたような気がしました。
「理想は高く持て。その理想を達成するために、一生懸命努力せよ」と。
竹下弘美