今日は神様からのプレゼント

神様と共に今日を生きる

ときを包み、すがたを包む

 遠くカリフォルニアから、日本の今年の桜前線のことを調べてみました。東京では今月末30日が開花予想のようですね。まさに「ふるさとは遠きにありて思うもの」です。


 何年か前に帰日したときに見た桜はまるで夢のようでした。きれいだということは頭にあってもあれほどまでに美しい世界だとはおもいもよりませんでした。


 その美しい日本の代表の桜はいろいろなモチーフに使われています。日本からのお土産にこのようなちりめんの風呂敷をいただきました。色の使い方が素敵です。


 作家でデザイナーの故宇野千代さん作です。彼女は、美的感覚に優れていて、女流作家としてだけではなく、お財布など、小物のデザインもしています。
 いただいたこの箱入りの風呂敷には彼女の言葉が添えられていました。


「ときを包み、すがたを包む。私は桜が大好き 宇野千代」
気をつけてみてください。「とき」と「すがた」が漢字ではなく、ひらがなになっています。「包む」という意味を表すための意図的なこだわりだったのではないかと思わされました。ひらがなにすると柔らかく、まさに包むという感じが出てきませんか?


 日本人は包んだり、カバーするのが好きな国民ですね。タクシーの席にはカバーがかけられていますし、ティッシュボックス、かつては固定電話にまでカバーが付けられていました。デパートの丁寧な美しい包装も典型的です。包装紙や ”包む” ということに日本ほどこだわるところはないのではないでしょうか。


 包むという字を調べたところ、これは胎児を母親がくるんでいるところを表し、子供が体内から出ると己になるのだそうです。そのことから、包むという字は慈しみを表すとか。



 この頃のニュースは、悪い事ばかり。 美しい桜の日本の国にふさわしい、相手を包む思いやりを思い出してほしいと祈らざるをえません。


竹下弘美



竹下弘美

×

非ログインユーザーとして返信する