今日は神様からのプレゼント

神様と共に今日を生きる

20年後の日食の日に同じ場所で会いましょう

 
    今年の4月8日、私の誕生日の日は何年ぶりかの日食がアメリカの各地で見られるという日でした。


 前日の日曜日の5時までに私達が住んでいる市、アルハンブラ市の図書館で特別制のサングラスを無料配布するということを知り、駆けつけましたが、もうすでに全部なくなっていて、翌日の11時、日食が始まる時間に行けばイベントがあって、またもらえると言われました。


 翌朝は快晴になり、まさに誕生日日和。何十年も前のこの日、母は実家である祖母の家の甲府に出産のため帰っていました。5歳だった姉が朝、「赤ちゃんが生まれたよ」と言われて母のところにいくと、母の横に赤ちゃんがいて、とてもかわいく、その日は良いお天気の春の日だったとよく姉からきかされていました。


 夫から誕生日には何がしたいかと聞かれていたことを思い出しました。夫はいわゆる物見遊山が大嫌い。私は何でも見てやろう種族。いつもイベントに誘っても乗らない種族です。どうかなと思いましたが、11時に図書館に日食を見にいくけれど、と誘いました。


 なんと夫は”行く”と言ったのです。私の誕生日だからと。彼の気が変わらないうちに家を出た方がよいと10時20分に家を出よう、と誘いました。


 図書館に近づくともう多くの人々が特殊なサングラスをかけて太陽を見上げているではありませんか。


 係の人がすぐサングラスを手渡してくれました。紙製ですが、日付も書いてあります。学齢に達していない子供達のためにテーブルの上には塗り絵やゲームも備えられていました。この日は学齢に達している子供達は学校で日食を観測したのです。



 もう10時8分から日食は始まっているとのことで、もらったサングラスをかけて太陽を見ると、なんと空が真っ黒でオレンジ色の太陽の下が欠け始めていました。


 黒地にオレンジ色の卵の黄身のような太陽が美しいです。写真を撮りたいけれど、サングラスを通してしか見ることができないから撮れないのではと思っていましたが、夫はそばの人に助けてもらってこの冒頭の写真を撮ることができました。


 皆静かに見ています。ずっと見ていても太陽が欠ける速度は遅く、座る席をみつけると花壇の植え込みの囲いのコンクリートにあいているところがみつかり、その席のあいているところの横に座っている女性が、「ここに座る?」と私に声をかけてくれました。


 その席に座ってときどきき太陽をのぞきましたが、その隣の人と自然に会話が生じました。どうしてここでサングラスをくれることを知ったのか、で始まり、彼女はニューオリンズ出身の名前はバーバラ。今は息子がこの市にいるので、引っ越してきたということ。私達は娘家族のために北カリフォルニアから引っ越してきたと会話が弾みました。


 そしてこの日食が次に見られるのは、20年後だという話になって、「この場所で20年後に会いましょう」、と一緒に写真を撮った後、彼女の携帯にその場で写真を送りましたから、名前はバーバラだということと、電話番号はわかりました。


 カリフォルニアでは部分日食で、最高が11時12分でしたから、あたりが暗くなることもなく終わりました。


「この場所で20年後よ」彼女が別れ際に叫びました。夫は「僕は天国でね」と答えました。


 記念すべき楽しい誕生日でした。

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